真面目に会話を考える。その1
前回の面白いの話の続きです。
前回、面白い人とは、
「会話をしていて、良い聴き手にもなれるし、良い話し手にもなれる人である」
とまとめた。
今回からは、
『会話とは何か?』
について考察していきたい。
「面白い」を考察するためには、
面白いが生まれる現場の会話こそ解き明かさねばなるまい、と考えたからだ!
と、妙に意識の高い考察な気がしてきたが、気にせずに行こう。
それでは聞いてください。
「ばちゅーによる、会話とは何か?」
・会話とは何か?
まず、やっぱり大辞林さんに聞いてみた。
以下引用である。
かいわ【会話】
( 名 ) スル
① 二人または数人が、互いに話したり聞いたりして、共通の話を進めること。また、その話。 「 -を交わす」
② 特に、外国語で話し合うこと。 「英-」
まぁ思った通りの意味である。
よく会話は野球のキャッチボールに例えられる。
会話の例えとしては適当だと思うが、自分はその例えだと、
一対一のやりとりしか言い表せていない気がするのだ。
確かに会話を一対一でやることは多い。
しかし、もっと複数人で楽しむ会話のシチュエーションもあるだろう。
実際皆さんもそんなシチュエーションで、楽しく参加できたことも、孤立してしまったこともあったと思う。
すると、一つのボールを交互に投げ合うキャッチボールの例えよりも、もっと会話にふさわしい例えがあるのではないかと考えたのだ。
そこで自分は、会話をバレーボールのラリーに例えることを思いついた。
小中学校のお昼休みに、空いてるところでみんなで円になってやるバレーボールである。
誰かがトスして、レシーブで返して、頃合いでスパイク入れたりするアレである。
で、自分はアレこそ会話にふさわしい例えだと考えたので、
「会話とは何か」を『昼休みのバレーボール』に例えて解説したい。
会話のポイントはズバリ3つ。
【トス】 …会話を始めること。
【レシーブ】…会話を続けること。
【スパイク】…会話を〆ること。
以上3つである。
今回はトスについて考察しよう。
【会話のトス】
会話の始めの一歩。
つまり、話題提供である。
色々なケースはあると思うが、初対面同士のシチュエーションを想定して話を進める。
初対面同士のシチュエーションで、先に話題を振ってくれる人ほどありがたい人はいない。
もしもその人と楽しく会話ができたら、それを起点に場の雰囲気に溶け込めたり、緊張をほぐすことが出来るからだ。
しかし、あまりに的外れな話題をいきなり振られるとかえって困るし、居心地も悪くなる。
また、自分から会話を振ってみたものの、相手の器量を見誤り、マニアックなネタを振ってしまって会話が弾まず、居心地が悪くなったことがある人もいるだろう。
(まぁ自分だけど)
会話のトスで一番大事なこと。
それは、相手が返しやすい話題を提供することである。
何を当たり前な。
何を簡単なことを。
そう思うかもしれない。
だがそれが初対面同士だと、とても難しい。
何か的外れなことを言ってしまったら…
何か気に障ることを言ってしまったら…
変な人と思われてしまわないか…
これらの懸念が、会話の口火を切るのをためらわせる。
それでは、どうやって会話のトスをすればよいのだろうか。
自分は会話のトスをする前に、気にかけることべきことがあると考えている。
それは、『その場を意識すること』だ。
『その場』を昼休みバレーボールの例えで説明するなら、
・どんな人が参加しているのか
・どんなルールでやっているのか
を把握することと同じである。
会話に参加する前に、その場を観察してみよう。
例えば、
・就職活動という場で隣同士になったもの同士ならば…
・友達に招かれたパーティーで初めて出会った者同士ならば…
・歴史好きが集まるバーで出会った同好の士同士ならば…
と、その場のルールや特徴を踏まえて考えれば、自然と口火を切る話題はある程度絞れてくる。
(だから、一般の人たちが大多数な中で、自分の好きなコアなネタを振ってはいけないんですよ!)
ここで、前回の面白いを誘うキーワードを3つ思い出そう。
面白いを誘う3つは、
・新規性
・共感
・意外性
である。
この中で、最も初対面の人へ話題を振るのにふさわしいキーワードはどれか?
もちろん共感である。
初対面のシチュエーションで、新規性も意外性もない。
では、人が共感しやすい話題、話しやすい話題とは何か?
例えば…
・今日の天気のこと
・あなたの出身のこと
・あなたの仕事のこと
・あなたは何故ここに来たのか?
…
めっちゃくちゃベタである。
だがそれでいい。
むしろそれがいい。
だってベタベタだからこそ、
どんな人でも返しやすいし、話しやすい話題なのだから。
今日の天気が暑ければ暑いことを話題にすればよい。
出身、仕事の話題から、話し相手のことを知っていくのもよい。
何故ここに来たのかも、一人一人異なる理由があるわけだから、その場で盛り上げやすい話題だろう。
なんだか、つまらない、ありきたりすぎると思ってしまうような、使い古されたような話題こそ、会話のきっかけ作りとして必要なものなのだ。
話しかけられた相手からしても、
私に話しかけてくれた!
自分に興味をもってくれた!
というのは嬉しいもので、だからこそあなたのふった話題で話しをしてくれるのだと思う。
独りぼっちは寂しいもんな。
なお、会話のトスで大切なことがもう一つある。
それは、自分から口火を切る勇気である。
多くの人がこの勇気を出せない理由はきっと、
『会話を続けられる自信がないから』
ではないだろうか。
会話を続ける自信がない。
それは会話の【レシーブ】に自信がない
ということだと、例えられる。
じゃあ次回は、会話の【レシーブ】について解説したい。
多分、聴き上手ってどんな人?
って切り口になるんじゃないかなぁ。
会話の考察をしていたら、いつの間にかコミュニケーション講座みたいになってしまった。
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