受験生の思い出
今週のお題「受験」
あれはセンター試験も差し迫った冬の日の塾でのことでした。
その日は珍しく午前中から調子が良く、センター試験の倫理をしゃかりきに勉強しておったのです。
ノリにのってきたところで電話が鳴りました。
よりによって母か。
なんや、せっかくノリノリなのに。
いささかの不満を覚えながら電話に出ると、妙にテンションが高い。
「あんた!番号あるで!」
なんということでしょう。
その日はすっかり忘れていた、推薦入試の合格発表日だったのです。
いつも素っ頓狂な答えばっかり出してる素っ頓狂な僕は、極め付けの素っ頓狂な声を出しました。
なお、合格発表の日を忘れていたのは僕だけではありません。
母も思いっきり忘れていたのです。
思いっきり忘れて、韓流ドラマを動画サイトで見ていたはずみで、たまたま思い出したそうなのです。
なんということでしょう。
あまりに突拍子のないせがれの受験番号の登場に狼狽たのか。
母は僕よりも先に父に電話をしました。
すると父は、割とキレ気味で
「それは去年のだろう」
と母を叱ったそうです。
なんということでしょう。
まぁとりあえず、私の受験生時代はおもむろに終わりを告げ、特に行く必要もなかったのですが、大学の掲示板を見に行き自分の番号を確かめて、ラーメンを食って帰りました。
そして翌年の初詣にて、地元の神社おみくじにはこう書いてありました。
「時ならぬ鶯の声が鳴く」
魔法のコンパス 道無き道の歩き方
今回は本のアウトプット。
『魔法のコンパス 道無き道の歩き方』主婦の生活社
先日読んだ、『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』
で、すっかり西野さんの考え方に魅了されてしまったので、その前作に当たる魔法のコンパスを読んでみようと思ったのがきっかけ。
で、読んでみると西野さんの圧倒的な熱量と、これからの時代へ臨むワクワク感が滾ってきた。
西野さんの本(今回は魔法のコンパス)を読むと、3つの力に圧倒される。
・芸人時代に培った圧倒的な経験と、その思考による強力な説得力
・渋谷のハロウィン後のゴミの山を後片付けする企画や、東京五輪のエンブレムの再選考に敗れたものだけで行った、五輪負けエンブレム大会など、その時々でブームを捉えたイベントを起こせる企画力
・自分たちはこんなに面白い生き方してるのに、君たちはやらないの〜?と、
思わず西野さんたちの世界観にこちら側から飛び込みたくなる様な提案力
である。
読んでる時の高揚感に加えて、あとがきの最後の一文には鳥肌がたった。
これからの未来をワクワク生きたい人は、今後必読の書になると思うので、是非ともご一読のほど!
水滸伝が好きすぎる人による水滸伝講座【第1回】
最近水滸伝愛が沸騰してきたので、水滸伝講座にトライしてみようと思います。
第1回 [水滸伝とはなんぞや]
まずはここから。
要点をこの3つに絞って解説します。
①時代背景
舞台は中国の北宋時代末期(960年~1127年)。
日本でいえば鎌倉時代ちょっと前。
この時代はとても豊かな時代で、都の開封府のグルメガイドが残っているくらい贅沢で華やかな時代でした。
しかし、北宋最後の皇帝、風流天子こと徽宗が即位すると一気に国が傾き始めます。
徽宗。
皇帝なんかならずに芸術家になってたら、本人も国も幸せだったであろうお方です。
彼は皇帝になったばっかりに、国の予算で大々的に芸術やり始めちゃいました。
その結果、国は疲弊し、都は悪い大臣ら魑魅魍魎どもが跋扈するご時世に。
地方はひたすらに疲弊することとなりました。
②梁山泊の108人の好漢たち
そんな悪い大臣たちが栄えると、被害を被るのはたいてい真面目な人たち。
例えば水滸伝の人気者、豹子頭 林冲(ひょうしとう りんちゅう)。
彼はもともと軍の武術師範で、蛇矛の名手でした。
豹子頭とは彼のあだ名で、『豹のような顔』という意味です。
水滸伝の108人の好漢は、全員あだ名を持っています。
出典:キノトロープ | 水滸伝
彼はこんなプロセスで、大転落人生を歩むのです。
- 林冲の新婚ほやほやで大好きな嫁さんを、悪大臣のバカ息子に見初められる。
- 悪大臣がバカ息子のために、林冲を無実の罪で流罪にして、林冲の嫁さんとくっつけようとする。
- 嫁さんは林冲の知らぬ間に自害する。
- かたや林冲はキレて牢屋から脱獄。近場の大金持ちに匿われ、梁山泊を紹介され、泣く泣く山賊になる。
と、こんな感じ。
梁山泊。
大きな湖に囲まれた、巨大な山の砦。
その水のほとりに導かれるように、108人の好漢たちが続々と集まります。
水滸伝とは、『水のほとりの物語』という意味です。
※余談
↑で紹介した林冲。
たいていイケメンに書かれるのですが、
先ほど述べたように、
・蛇矛の名手
・豹のような顔
に加えて
・虎髭
って設定がございましてな。
早い話がこの人のもとになった人は、三国志の英雄の
張飛さんなんです。
(画像はイラスト屋さんにあったよ。たまげたなぁ)
③日本でも江戸時代のころから大人気
意外や意外。水滸伝は江戸時代のころからとても親しまれていました。
例えば、滝沢馬琴って劇作家を聞いたことがありませんか?
彼の書いた作品に、『南総里見八犬伝』ってあるんですけど、思いっきり水滸伝をモチーフにしています。
他にもすごい話がありまして、
この平成の世にて、
『戦国武将を美少女化』
『三国志武将を美少女化』
『戦艦を美少女化』
などなど、〇〇を美少女かする企画が大変ポピュラーです。
で、その先駆けとなったのが、何を隠そう滝沢馬琴。
彼は水滸伝の108人の男女比(105:3)を(3:105)にやってのけ、
『水滸伝の好漢を女性化』させた作品、『傾城水滸伝』なんて代物まで書いてのけました。傾城ってのは、遊女のことだそうです。
つまり、
女体化させる文化は、江戸時代のころからあった!
今日はそれだけ覚えといてください。
まだまだ書き足りないのですが、今日はこの辺で。
第2回から、あらすじ編かなぁ。
1/12 芥川龍之介 歴史プレゼン @御茶ノ水ビンデン
1/12に、御茶ノ水ビンデンさんにて金曜恒例の歴史プレゼンをやってきました!
芥川龍之介先生といえば、
・『杜子春』 〜絶対に声を出してはいけない地獄めぐり〜
といった教訓あふれる児童物
・『羅生門』 〜生きるためならどっちもどっち〜
・『藪の中』 〜それでも僕は見たつもり〜
といった歴史物
・『或る阿呆の一生』 〜そこまで自分を責めぬとも〜
・『歯車』 〜軋んできた頭の中〜
といった、晩年の闇がつまってる物
まで幅広いジャンルで作品を書かれています。
そんな中から、きわめて異色な作品を2作紹介しました。
まずは、
『侏儒の言葉』
侏儒とは、取るに足らないつまらん奴って意味です。
「取るに足らないつまらん奴の言葉」
なんて、誰が聞くのかって感じですが、それを言うのが芥川龍之介先生だから聞かざるを得ない。
どんな作品かと一言で言うならば、
です。
例えばこんな感じ
文体はポップに仕上げましたが、あるお題に対して、芥川先生が持てる知識をフル動員して、様々なことを書き連ねた短文集なのです。
他にも
「クレオパトラの鼻が少しでも曲がってたら、歴史は変わってた、とかあれ嘘だよね。好きな人だったら少し鼻が曲がっていようが、他の長所見つけて好きになるでしよ?」
とか
「道徳って要するに、左側通行の別の言い方だよね」
とか、概ねこんな感じで話を進めます。
芥川先生特有の、
「僕の作品を読んでくれる賢明な読者諸君は分かってくれるよね?」
っていう自信とそれに伴う不親切さ。
いわゆる厨二病っぽさ!
こここそが、芥川先生の魅力的なところだと思うんです!
で、次に紹介した作品を一言で説明するなれば、
「演者全員が真顔でボケ倒すツッコミ不在の歴史コント」
です。
詳細は…
あえて語りません。
聞きたくば、私が御茶ノ水ビンデンさんにての語りを聞きに来てください!
こちらにて毎週金曜日開催いたします!
東北の美味しい食事と、美味しいお酒が待っています。
お気軽にふらっとお越しください!
ご挨拶とその他もろもろ
初めまして!
ばちゅーと申します。
わざわざ当ブログにお越しいただきまして、大変ありがとうございます。
過去何度かブログを開設しては3日坊主になり自然消滅するサイクルを連綿と繰り返していたのですが、またまた懲りずに新たなブログを始めた次第でございます。
このブログでは、
・大好きな歴史の話
・読んだ本のアウトプット兼レビュー
・皆様の少しお役に立つ情報
などなど紹介できたらいいなぁ、と思っている次第でございます。
今度こそはあっという間のドロップアウトにはしない所存ですので、
これからもどうぞよろしくお願いいたします。